SIer辞めてどこ行くの?

SIerが嫌になったら脱出することはできるのか?どんな逃げ道があるのか?というかSIerってそんなにダメなのか?

SIerの新人はどんな業務を担当するのが理想なの?

新人の業務系SE社員にとって理想的な環境は、既存のある程度大きなシステムの機能追加案件にアサインされることだと思います。理由は二つあって、一つ目は類似領域の案件を複数回できるので経験の抽象化がしやすいということ。二つめは最初からある程度高いスタンダードに触れることができるということです。逆にいうといきなりコンサル的な案件に入るとか、小規模なToolを色々な顧客に導入しまくる案件というのはあまり良くないと思います。

一つ目の理由について、既存のシステムが大きいとその仕様をベースとして機能追加するので、ある程度案件に類似性が出てきて仕様としてもパターン化されます。そういう案件を複数経験することでなんとなく押さえておかなくてはいけないところ、例えばデータのモデリングがやっぱり肝心だなとか、既存の重要なJOBとの依存関係をチェックしないと大変なことになるなとか、他の案件でも展開可能なノウハウを積み重ねることができます。自分にとって完全に新規の業務とか、新規サービスのシステムなんかはある程度開発プロセスの抽象化ができて自分なりの勝ちパターンができてからでないと、関係者の意見に振り回されて結果QCDどれかが毀損するということになりかねません。

二つ目の理由について、既存のシステムが大きくて継続発注につながっているような場合は、ローンチ当初はともかくとして、既にある程度その案件自体は成功しており、顧客の業務が回り始めているということです。そのような案件は、アーキテクチャ的にも、顧客とのコミュニケーションを含めた開発プロセスも、品質水準も、運用プロセスもある程度高いレベルにあることが多いです。そうするとその母体を作り上げるスキルまで身につくかどうかは別にしても、「これが普通なんだ」と認識する諸々のレベルが自然と高くなり、勘違いをしなければ別の案件に移っても高いスタンダードを維持ことができます。もちろん何でもかんでも前のやり方を押し付けてはダメなわけですが、ぶっちゃけ作ってお終いのプレハブ工事のようなシステムの世の中には沢山あり、そればかりを経験していると自分のスタンダードが「そんなもの」になってしまいます。これは別にSIの世界に限った話ではなく、何事も一流の仕事に触れないとそもそもその水準の仕事が存在することも知り得ないわけで、なるべくレベルの高い現場に潜り込むことが重要です。