SIer辞めてどこ行くの?

SIerが嫌になったら脱出することはできるのか?どんな逃げ道があるのか?というかSIerってそんなにダメなのか?

外から見るとSIerのどこがダメなの? ユーザー目線編

SIerに対する不満, Dis意見のうちユーザー目線のものをPick upしてみましょう。ここで言うユーザーとはクライアント企業の中でSIerが納品したシステムを実際に使って業務を行う人のことです。例えば私はコールセンターのオペレーターが使う受発注のシステムを開発していましたが、ここで言うとそのオペレーターさん達がユーザーということになります。SIerの業務の本質的な難しさは、顧客内でも発注いただく情報システム部門の社員の方々、上記のようなユーザーの方々、そして経営層と複数のステークホルダ間で求めるものが食い違うケースが多いことです。

今私は職務としてPdMをやっているのですが、この問題は自社Productを開発している企業でも同じことが起こり得ます。PdMは社内である意味Tech teamに対する発注者の役割を果たすわけですが、ユーザーはもちろんPdMではありません。そのためPdMが考える優先順位や使い勝手が実際のユーザーの感覚と一致しておらず、思ったような反応が得られないということが起こります。これは上記の情報システム部門と企業内のユーザーの関係と似ています。PdMと情報システム部門の異なるところは、

  1. 情報システム部門は企業内のユーザーとコミュニケーションをとるチャンスが外部ユーザーを扱うPdMに比べて多い
  2. PdMは場合によってはユーザーに加えてカスタマー(お金を払ってくれる人)の課題を解決する必要がある
  3. 情報システム部門の扱うシステムは社内組織の力関係に仕様が左右されることがある

というところです。

前置きが長くなりましたが、システムを業務に使用するユーザー目線でのSIerへの不満はシステムの品質と納期に対する不満になります。品質面ではバグが多く業務がStopしてしまう、仕様がわかりにくい(使いにくい)というのが主要な不満で、納期面ではシステムのローンチが延期されるようなことがあるとそれに合わせて計画していた業務の変更に支障が出るというものです。バグは根本的にゼロにすることはできないので、如何にしてCriticalなものを出さないようにするか=テストのProductivityをどうやって上げるか がSIerの腕の見せ所になります。仕様のユーザビリティに関する品質はSIerの立場では踏み込むのが難しい場面もあるのですが、ここの品質を上げるためにユーザーや情報システム部門に対して踏み込んだ提案ができるようになると継続した案件も受注しやすくなります。